オルゴールメカの種類と説明

日本電産サンキョーのオルゴールメカの説明です。その他の企業のメカの説明ではありません。

弁とは櫛歯の歯の数のことです。
同じ音を複数使う場合もあるので厳密には違いますが、鍵盤の数と考えていただくと分かりやすいかもしれません。基本的に数が多ければ多いほど、音が豊かになっていきます。

オルゴールメカ 日本電産サンキョー
弁数は櫛歯に並んだ歯の数で、多いほど音域が広がり豊かな演奏ができます。
巻きネジが底部に付いた下巻きメカが通常です。

18弁

↑在庫曲

↑既存曲(手作り)

18弁は、一般的に宝石箱やおもちゃに使用されるメカです。左の写真は底部に巻きネジが付くタイプですが、上に付く上巻きタイプもあります。

音域(オクターブ):2.0~2.06
編曲時間:約12~15秒
通常は4/4拍子の曲で約8小節、曲により4小節程度しか入らない場合もあります。
総鳴奏時間(ゼンマイが切れるまでの長さ):約3分
サイズ:W5.0、D4.4、H2.1cm 
材質:○フレーム/亜鉛ダイキャスト○歯車他/プラスチック○ゼンマイ・櫛歯など/鋼 ○ガバナー/ゴム ○シリンダー/鋼板
ピンは手作りタイプ(切起し式) 量産タイプ(型押式)の2種類
シリンダーの色は手作りタイプ(金色) 量産タイプ(灰色)の2種類

18弁手回し

↑在庫曲

↑既存曲(手作り)

クランクを回すと演奏します。ゼンマイの巻きすぎがないので、小さい方には扱いやすいです。

音域(オクターブ):2.0~2.06
編曲時間:約12~15秒(実際は、手を回すスピードに大きく左右されます)
通常は4/4拍子の曲で約8小節、曲により4小節程度しか入らない場合もあります。
サイズ:幅4.5、奥行3.5、高さ2cm、クランクの長さ3cm  ピンは型押し式
材質:○フレーム/亜鉛ダイキャスト ○歯車他/プラスチック ○櫛歯/鋼 ○シリンダー/鋼板 
当方で扱うメカは金色メッキを施しております
ピンは手作りタイプ(切起し式) 量産タイプ(型押式)の2種類 

23弁

23弁は、18弁で編曲上無理な場合に使用されます(主に卒業記念のオルゴールに使われます)。
18弁よりシリンダー、櫛歯共に一回り大きく、豊かな音楽性を表現することができ、時間も2倍になります。

音域(オクターブ):2.4~3.0
編曲時間:約25~30秒
総鳴奏時間(ゼンマイが切れるまでの長さ):約4~5分
通常は4/4拍子の曲で約16~20小節、曲により8小節程度しか入らない場合もあります。
材質:○フレーム/亜鉛ダイキャスト ○歯車他/プラスチック・鋼  ○ゼンマイ・櫛歯など/鋼  ○シリンダー/鋼板 ○香箱/鋼 
当方で扱うメカは金色メッキを施しております 
※23弁のピンは 手作りタイプ(針うち)と量産タイプ(型押し)と異なります。

30弁

30弁になると、音色が良くなるので永く楽しみたい方にお薦めです。

音域(オクターブ):3.0~3.5
編曲時間:約25~30秒
通常は4/4拍子の曲で約16~20小節、曲により8小節程度しか入らない場合もあります。
総鳴奏時間(ゼンマイが切れるまでの長さ):約5~6分
サイズ:横70.5、奥行57.5、高さ24.1mm  ピンは針うち方式
材質:、○フレーム/亜鉛ダイキャスト ○ゼンマイ・櫛歯など/鋼  ○香箱/鋼  ○シリンダー/真鍮 ○針/ステンレス
金色メッキを施しております

50弁

50弁は音を重視した高級タイプで、音楽として楽しめます。

音域(オクターブ):4~5
編曲時間:1回転約30~45秒の演奏で、2~3回転
1曲だけを長く入れたもの、複数の曲が入ったものがあります。
 2回転1曲(約60秒~90秒)
 2回転2曲(1曲当たり約30秒~45秒)
 3回転1曲(約90秒~135秒)
 3回転3曲(1曲当たり約30秒~45秒)
総鳴奏時間(ゼンマイが切れるまでの長さ):約7~8分
サイズ:横150、奥行75、高さ35mm  ピンは針うち方式
材質:○フレーム/亜鉛ダイキャスト ○ゼンマイ・櫛歯など/鋼 ○香箱/鋼  ○シリンダー/真鍮 ○針/ステンレス
金色メッキを施しております
●メーカーが想定する耐久性:1万回転(1年間毎日使用して、1日当たり約18分)※動作を保証するものではありません

72弁

72弁は、50弁をさらにグレードアップさせ、日本において最高のシリンダーオルゴールとなりました(※櫛歯一枚のタイプの中で)。

音域(オクターブ):4~5
編曲時間:1回転約30~45秒の演奏で、3回転
1曲だけを長く入れたもの、複数の曲が入ったものがあります。
 3回転1曲(約90秒~135秒)
 3回転3曲(1曲当たり約30秒~45秒)
総鳴奏時間(ゼンマイが切れるまでの長さ):約7~8分
サイズ:横190、奥行75、高さ35mm  ピンは針うち方式
材質:○フレーム/亜鉛ダイキャスト ○ゼンマイ・櫛歯など/鋼 ○香箱/鋼  ○シリンダー/真鍮 ○針/ステンレス
金色メッキを施しております
●メーカーが想定する耐久性:1万回転(1年間毎日使用して、1日当たり約18分)※動作を保証するものではありません

 

オルゴールメカの構造
オルゴールには大きく分けて2つのタイプがあります。1つはシリンダー(円柱)の表面に付けられたピンで櫛歯を弾いて演奏するシリンダーオルゴールです。
もう1つは円盤を使用して楽譜を記録したディスクオルゴール。
このページで紹介するものは全て、シリンダーオルゴールになります。

櫛歯/振動板 オルゴールは、シリンダーを回転させたときに、その表面に付いたピンが櫛歯に並んだ歯(弁)の先を弾いて音をだします。長い歯で低音を、短くなるほどより高音となります。また、櫛歯の本数が限られているためにピアノのように全ての音を並べるのではなく、その曲にとって必要な音だけを配列し、曲ごとに櫛歯を制作します。
シリンダー/楽譜筒 シリンダーの表面にピンを取り付け、その配列によって曲を記録します。シリンダーの長さに伴って櫛歯の弁数も増え、太さによって演奏時間も長くなるので、大型のものほど豊かな表現と長時間演奏が可能となります。
回転速度調整機/ガバナー シリンダーが高速で回転するのを防ぎ、ゼンマイの力が長続きするように、ブレーキをかけて回転速度を一定に保つ役割をします。
香箱/ゼンマイ収納部 オルゴールの動力源であるゼンマイが入っています。
フレーム/弁 オルゴールメカの基盤となる土台の金属で、アルミダイカスト、鋳鉄、真鍮などが用いられます。櫛歯から発せられた波動が、フレームからケースなどの外部の共鳴体へ伝わり大きな音となります。
ゼンマイ シリンダーを回転させるための動力として、ゼンマイが使用されています。18弁メカの小さなオルゴールでも、直径約2cmの香箱の中に長さ約39cm、幅8mmもの長い鋼鉄製のゼンマイが入っています。